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12 2018

ともしび3

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


救急車の中で、隊員がユニの名を呼ぶが、彼女からの反応は一切無かった。
酸素マスクや体のあちこちに線が繋がれ、測定器のモニタに映し出される波線だけが、彼女の生きている証のような気がしてならない。
ソンジュンは、隊員からの質問に淡々と答えるだけで、ただ茫然とユニを見守ることしかできなかった。




救急車が病院に着くとすぐにユニは、処置室に運びこまれる。
医師らのあとを追うように、中に入ろうとするソンジュンを、看護師らが制し外で待つように言い聞かせた。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


厚い扉の向こうから、医師や看護師らの怒号が飛び交うのが耳に届く。
ドックン、ドックンとソンジュンの心臓が激しく波打った。
ユニの笑顔を思い出した。ただ思い出しただけなのにまぶしくて目が開けられない。




「カラン!!」
ヨンハの声でソンジュンを呼ぶ声に、振り返った。
ジェシンの姿も見える。ずいぶんとやつれているように思えた。

「ヨリム先輩…コロ先輩…」
「ユニは!?」
ジェシンがソンジュンに尋ねる。
処置室に通じる厚いスライドドアに視線を送って答えた。
「今、あの向こうで治療中です」
「だから、どうなんだっ!?」
静かな待合にジェシンの怒号が響く。
「やめろ、コロ…」
ジェシンがソンジュンに掴みかかろうとするのを、ヨンハが立ち塞がった。

「……彼女は…生きてます」
ソンジュンは祈るように静かにつぶやいた。
「くそったれっ!!」
ジェシンが両腕を病院の壁に打ち付け、もたれかかった。
彼は壁に打ち付けたこぶしを震わせ、声を殺して泣いていた。
ヨンハは、ソンジュンの肩に手を置き、ユニの姿を遮る厚い扉をせつなそうに見ていた。

「兄(ヒョン)!!」
ユンシクが最初にジェシンの姿を捉え、駆け寄ってきた。
後ろから母ミリもついてくる。

ユンシクに気付いたソンジュンが叫んだ。
「テムル!!」
「カラン兄!」

―――ソンジュン!?

ユンシクがソンジュンの名を呼んだ瞬間、ミリはその場に立ち尽くした。

ユニの容体は?と尋ねるユンシクに、ソンジュンは彼にヨンハらと同じ説明をし、目を離したばっかりにすまないと謝った。
ユンシクの後ろで横を向いて視線を逸らすミリに気が付き、ユンシクに目で尋ねる。
「カラン兄……僕らの母です」
「すみません、お母さん(オモニム)。彼女をひとりにした僕のせいです―――」
ミリは、ソンジュンに初めて母と呼ばれ、彼を見上げた瞬間、胸に閉じ込めていた苦悩が涙となり、堰を切ったように目から溢れ出す。
ユニのことも、ソンジュンのことも、全てがミリの心の容量を超え、その場で倒れそうになるのを、とっさにソンジュンが駆け寄り体を支えて呼びかけた。
「お母さん、しっかり!」
「許して…」
ミリは、そう言うとソンジュンの腕の中で意識を失った。
「看護師さんを呼んでください、早く!!」
ばたばたと慌ただしく医師や看護師が駆けつけ、ミリも別の処置室に運ばれた。


※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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