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Funny stories

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31 2018

二人の母8

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


「ユニ?わかるかい?僕だ……よかった―――」

ソンジュンは、やっと会えたと言いながら、もう一度ユニを胸に抱きしめた。
幻なんかじゃないと気付いたユニは、平常心を失い激しく抵抗する。
「いやっ!放してっ!!」
「ユニ?落ち着いて!僕だ!イ・ソンジュンだ!」
「お願い、放して!!どうして……どうして、こんなところにまで!?」
彼を突き放したいのに力が入らない。それでも精一杯ソンジュンの腕の中から逃れようとする。
「どうしたんだ!?何があった?」
「私に…近寄らない―――」
言い終わる前に、ユニの口はソンジュンの唇で塞がれた。




ソンジュンの唇から逃げようと、もがけばもがくほどソンジュンの腕に力が入る。
ユニの抗う力が抜けてようやく、ソンジュンは彼女の唇を離し、優しく抱きしめた。
ユニの瞳から溢れる涙は止まりそうにない。
それでもユニは息も絶え絶えに、力なく小さな声でつぶやいた。
「……阿郎(アラン)…あなたと私は、決して、結んじゃいけない縁なの……私は、罪を犯したわ…あなたは…私の―――」
「…今、何て?どういう意味だ!」
ユニを抱いていたソンジュンの腕がゆるみ、体を少し離して尋ねた。
ソンジュンの肩越しに、聖堂の十字架がユニの目に飛び込んだ瞬間、彼女は絶叫に近い悲鳴を上げて意識を失った。

「ユニ!?」

ソンジュンは、意識を失い憔悴しきった彼女の姿に困惑し、言いようのない不安に襲われた。
彼女を抱き上げ教会を出ると、外に待たせてあった車に乗り込んだ。

運転席のスンドリが、不安そうな顔でユニとソンジュンを交互に見た。
「坊っちゃん?―――」
どこへ向かったらいいのかと尋ねるスンドリに、ソンジュンはしばらく黙り込んだ。
病院に連れて行こうかと思ったが、病院を抜け出したユニが、また消えてしまうのではないかと思った。
「大丈夫だ……スンドリ?鍾路のマンションに連れてってくれないか……」
「は、はい」
暖められた車内に、ユニの体から冷気が漂う。
ソンジュンはユニの冷たい手をぎゅっと握り、意識を失ったままのユニを抱きしめた。

30分ほどで、マンションの地下駐車場に着いた。
ソンジュンはユニを横抱きにして部屋まで連れてくると、寝室のベッドに横たえた。

コートと着ていた服を脱がせ、部屋着の上にナイトローブでユニの身体を包むと、擦り傷だらけの赤く腫れ上がった足に靴下をはかせた。
弱々しくもいくぶん顔色が戻り、静かに眠るユニの顔を、しばらくの間じっと見下ろした。
ほんの数日前に会った時よりも、ずいぶんとやつれ唇は色艶を失い荒れている。
ソンジュンはそっと唇を重ねると、寝室を出た。

リビングに戻り、ユンシクにユニが見つかったことを連絡しようと、ポケットからスマホを取り出す。
ヨンハからの着信通知が画面に残されていた。
ソンジュンは、先にユンシクに電話を入れ、ユニを見つけて部屋に連れて帰り、寝かせていると伝えると、ユンシクは涙声で何度も礼を言った。
そして今日中にソウルに戻り、ソンジュンに話したいことがあると言って切った。

ユンシクの電話を切ったあと、静かで穏やかな空気が部屋を包む。
マンションの高層階には、地上の喧騒も届かない。
ソンジュンは、ユニを静かに寝かせてやりたいと、ヨンハの電話番号を表示させて、玄関に向かった。

玄関を出て、エレベーターホールまで来ると、通話ボタンを押す。
数回のコール音のあと、受話口の向こうからヨンハの声が響いた。

 『カラン?ユニは?』
「ヨリム先輩―――」
すでにユンシクから、ユニが行方不明になったことを聞いているのだろう。
ソンジュンは、ユンシクに言った内容と同じことをヨンハに伝えた。

「―――先輩は、まだパリですか?」
 『いや、今朝ソウルに帰ってきた。今は新しいオフィスにいる―――』
ユニが家を飛び出して行方不明になったあと、無事に見つかったと聞いていたのに、帰国してみると今度は病院を抜け出して行方不明だと言う。
ジェシンに電話をしたが音信不通で、さすがのヨンハも帰国したばかりで、情報が錯綜して動きようがなかった。
それで、上海からソンジュンが帰国しているはずだから電話をしたのだと、彼はそう言った。


※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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