Funny stories

ARTICLE PAGE

28 2018

二人の母7

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


ユンシクからのメッセージを読んだソンジュンは、顔から血の気が引いていくのを感じながら、即座にユンシクの電話番号を表示させ、画面をタップした。
コール音を聞きながら、迎えに来ているはずのスンドリの姿を探す。
 
 『カラン兄(ヒョン)っ!!』
「テムルっ!どういうことだ、いったい何が―――」

ユンシクは、ソンジュンがミリの実子であることを伏せ、一昨日、親子喧嘩で飛び出したユニが、路上で倒れているところを発見され、病院に運ばれたが、今朝、看護師が目を離した隙に病院を抜け出して、ソウル行きの列車に乗ったのを目撃されていると話した。
ユンシクのいう時間に列車に乗ったのなら、もうすでにソウルについているはずだった。

 『兄(ジェシン)は、昨日の昼過ぎまで、こっちにいたんだ。ダウンさんに車を返して来るからって…ソウルに戻ってから、兄とも連絡が取れないんだ―――』
ジェシンまでもが、家を飛び出して行方不明になったユニを探しに行っていた。
ユンシクの声に、ただならぬ焦りと困惑を感じると、まだ何か隠しているような気がした。

些細な親子喧嘩などではないと、ソンジュンは直感する。
家を飛び出し、病院まで抜け出すほどのショッキングな出来事が、ユニを襲ったことは間違いない。

「テムル…とにかく、今すぐ彼女が行きそうな場所を探してくる。彼女がどんな格好をしているのか、教えてくれないか?」
 『うん―――』
ユンシクは、スーツにフラノのコートを羽織り、裸足で病院のスリッパ姿だと言った。

ユンシクと電話で話しながらスンドリの姿を見つけると、ソンジュンは停めてあった車に乗り込んだ。
「僕が必ずユニを見つけるから―――」
ユンシクに連絡を待つように言って、彼は電話を切った。

この寒空の下、ユニは衰弱した身体で裸足にスリッパといういでたちで、家族や友人だけでなく、自分の前からも姿を消した。
彼女はどんな大きな傷を負ったのだろうか。

 『阿郎(アラン)…愛してるわ―――』

電話越しに聞いたユニの声を思い出す。
一人で悩みを抱え込んで、どこかできっと泣いているのではないかと、ソンジュンはユニを想い、胸が締め付けられた。

―――彼女が向かう先……


 『心が折れそうになると、ここに来るのよ…』

ソンジュンは、ユニの言葉を思い出した。

―――教会だ!きっとあの教会にいる!


スンドリは、ソンジュンが電話を切ってからも、彼が言葉を発するまで待っていた。
ソンジュンの表情を見れば、今は余計な口を挟まないのがいいのだと知っている。

「スンドリ?クリスマスイブにユニと行った、教会を覚えてる?」
「はい、もちろん…」
「そこに向かってくれないか?…とにかく、急いで頼む!!」
「は、はいっ!」


ひっそりと佇む小さな教会の前で、スンドリにここで待つよう伝えると、ソンジュンは急いで車を降りた。
正午を過ぎても吐く息は白い。辺りを見渡しても、人の姿は見られなかった。
しんと静まり返った礼拝堂に足を踏み入れ、左右に並ぶ椅子の間を通りながら祭壇へと進んだ。
懺悔室に近い一番前のベンチに、人が持たれ掛かるように倒れていた。

―――ユニ!?

間違いなくユニだ。ソンジュンは、慌てて彼女に駆け寄り抱き起した。

「ユニ!?…ユニ、目を開けてくれ!」
ソンジュンの呼ぶ声に、ユニは意識が朦朧とする中でわずかに目を開いた。

 カツンっ―――

ころころと床を、銀色の指輪が転がっていく。
ソンジュンが手を伸ばして指輪を拾うと、ユニの細い指に通した。

この教会の礼拝堂に入ってきたユニは、祭壇に向かって跪き、指輪を外して手の中で握り、神に許しを請うた。
祈るうちにふらふらと意識を失い、倒れていたところをソンジュンが発見したのだ。

ユニの目に、ソンジュンの顔がぼんやりと浮かんで見える。
ソンジュンを想うあまり、彼の顔が幻になって見えているのだと涙がこぼれた。




※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

にほんブログ村

お気に入りの二次小説は!?





関連記事

カラユニ 成均館スキャンダル ソンギュンガンスキャンダル 二次小説 성균관스캔들 ユアイン ソンジュンギ

0 Comments

Leave a comment