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12 2018

二人の母1 <ソンジュンの生い立ち・前編> ~番外編~

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


自宅に戻ったミリは、書斎の床に散乱したままの写真や手紙を拾い集めていた。

―――まさか、あの子とお付き合いしてるだなんて…

ミリは、幼いソンジュンの写真を見つめながら、当時を思い出した。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.

25年前。
イ・ジョンムの正妻カク・セリョンには結婚して数年が経っても子供ができなかった。
当時、何度も不妊治療のために病院に通うが、毎回結果は同じだった。
セリョンを深く愛するジョンムは、治療のために身も心も傷つき、辛そうな彼女にもう諦めようと提案した。

しかし、ジョンムの両親は、古い考えの持ち主だった。
代々続いたイ家の家系が絶えることを快く思わず、セリョンに辛くあたる。
その度に、ジョンムと父が言い争いになるのが、セリョンには耐えられなかった。
そして身体に負担を強いられ続けた結果、とうとうセリョンは子供が産めない体になってしまう。
離縁して欲しいと訴えるセリョンに、ジョンムは絶対に駄目だと譲らなかった。

ある日のこと。
ジョンムの父が若い女性を伴い、ジョンムとセリョンの前に連れてきた。
「この女性は、我がイ家の遠縁にあたるイ・ミリさんだ。ジョンム…お前の子供を産んでもらうために、来てもらった―――」
遠縁とはいえ、ミリは身元もはっきりしている。もし男の子が産まれたら、正妻のセリョンが産んだ嫡男として戸籍に入れると言う。
「父さんっ!?」
父親の心ない言葉に、ジョンムの怒号が部屋中に響く。
父は息子の怒りを無視して部屋を出て行くと、ジョンムは父の後を追って出て行った。

部屋に残されたミリは、顔を真っ青にしてぶるぶると身体を震わせていた。
泣くまいと必死で堪えるミリの姿に、胸を締め付けられたセリョンは彼女に寄り添い、胸に抱きしめながら、はらはらと涙をこぼしながら言った。
「ひどいことをして、ごめんなさい…許して」
「奥さま―――私は平気です。奥さまの方こそ、お辛いのでしょう?―――」

ミリが大学生の頃、彼女の実家はイ一族でそこそこの裕福な家柄だったが、人の良い両親が知人に騙されて大きな借金を抱えてしまった。
いよいよ、家までもが借金のカタに取られてしまうという時、ジョンムの父から援助をしようと申し入れがあった。
ミリの両親は涙を流して頭を下げたが、その代わり一人娘のミリをジョンムの妾として家に入ることが条件だと言うと、ミリの父は血相を変えて、そんな条件をのむくらいなら、無一文になっても構わない、絶縁するから出て行ってくれと、追い出そうとした。
廊下に潜み、双方の話に聞き耳を立てていたミリは、慌てて部屋に飛び込んで、ジョンムの父に自分を連れて行ってくれと頼んだ。
そんなことは許さないと言う両親に、ミリは作り笑いを浮かべて言った。
「家を追い出されたら、私はお嫁にもいけないわ―――」
嫁に行ったとでも思って欲しいと、両親を説き伏せた。

しばらくしてミリは、表向きは使用人として、その裏では代を残すための妾として迎えられる。
子が授かるまで夜を共にしろという両親に、ジョンムは頑なに拒み続けていたが、年老いた父親からミリへの冷たい仕打ちや、セリョンへの配慮のなさに耐え兼ね、何よりも、セリョンの切なる願いがジョンムの心を揺さぶり、不本意ではあるが子が宿るまでだとミリと夜を共にした。
果たしてミリはジョンムの子を妊娠し、5か月を過ぎた頃にはお腹の子は男の子だとわかると、お腹が目立つ前にセリョンとともに全羅南道にある鳩林の別荘に移り、そこで出産まで過ごすことになる。
使用人にも、外部にもセリョンの産んだ子として戸籍に載せるための偽装工作だった。




ミリが無事に男の子を産むと、ソンジュンと名付けられた。
ジョンムとセリョンは心から喜び、特にセリョンはソンジュンをわが子のように愛しんだ。
ジョンムはミリに優しく接するが、決して彼女に愛情を注ぐことは無かった。
ミリにとって辛くはなかったが、お腹を痛めて産んだソンジュンに対する母性は、日に日に強くなっていく。
このままイ家に居続け、大きくなっても実の母親として名乗ることが叶わないまま、ソンジュンの傍らで過ごすことは辛いことだろう。
そして、本当の妹のように接してくれるセリョンの優しさや温かさに、いつまでも甘えていられないと、ソンジュンが一歳を迎える前に、ミリは自ら身を引く決心をしてイ家を出た。


※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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