FC2ブログ

Funny stories

ARTICLE PAGE

09 2018

歪み8

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


路上で倒れていたところを、トラックの運転手からの通報で、そのまま病院に搬送されたというユニ。
目立った怪我もなくかすり傷程度で、氷点下10度の極寒の空の下で発見されたのにも関わらず、軽度の低体温症で済んだのは奇跡だと、初診を終えた医師に言われた。

夜が明けてしばらく経ってから、検査を終えたユニが病室に運ばれた。
看護師が、ユニの着ていた服やアクセサリーを、ユンシクに手渡すと病室を出ていった。

しんと静まり返った部屋で、ジェシンはベッドに近づき、点滴が繋がれた手の指先にそっと触れながら、ユニの顔を心配そうに見下ろす。
ユンシクは、ユニの持ち物の中にソンジュンとペアの指輪を見つけると、コートのポケットに忍ばせ、病室の壁に吊るした。

憔悴しきった表情で、涙を浮かべてすすり泣く母の姿が、ユンシクの目に痛々しく映り、ジェシンに尋ねた。
「兄(ヒョン)……僕は、母さんを家に連れて帰るよ…警察にも寄って行くから、それまでユニをお願いしてもいい?」
「ああ…わかった…お前は大丈夫か?」
「うん…安心したら咳が治まったみたいだ…ははっ」
ユンシクの乾いた笑いに、ジェシンは労わるような微笑みを返した。

母の背に手を添えて病室を出て行く、ユンシクの姿を見送ったあと、ひとり残されたジェシンは、ユニの顔色が明るくなったのを見て、ほんの少し安堵の表情を浮かべ、彼女の頬を撫でた。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


お昼少し前、ユンシクは母を自宅に送り、病院に戻ってきた。
病室に入る前、少し開いた扉のすき間からジェシンの横顔が覗くと、その場で立ち止まった。
ジェシンはユニの手を両手で包み込むように握り、自身の口元に寄せていた。
寝顔を見守るジェシンの目は温かいのに、ユンシクの目には切なく映り、彼は小さくため息をついた。

―――そうだった…

幼い頃から、口に出すことはなくても、ジェシンは一途にユニを想っていた。
なのにユニはただ、兄としてしか見ていなかった。
ジェシンを一途に想うダウンの顔も浮かび、ユンシクは運命の悪戯を恨んだ。
傷ついたユニを、誰が支えてくれるのだろう。
そして、ソンジュンがユニを自分の妹だと知った時のショックは、想像すらできなかった。

「兄(ヒョン)……」
病室のドアの開く音に、ジェシンが振り返った。
「ユンシクか…」
「ユニはまだ?気がついてない?」
「ああ……」
ジェシンは自分で確かめろと言うように、静かに立ち上がった。
顔色が戻り、静かな寝息を立てている様子に、ユンシクは安堵のため息を吐いた。

「兄?……これから、どうしたら……カラン兄には、何て?」
「……今は、カランには黙っていた方がいい……お前たちの実家は知っているのか?」
「わからない…僕は話したことはないし、ユニから聞いていれば…」
今は上海にいるというソンジュンが、帰国してユニと連絡が取れないとなれば、平気でいられるはずがない。
すぐにでも探しにやってくるだろうことは、容易に想像がつく。今のユニの精神状態でソンジュンと会わせるのは、避けるべきだ。

―――もしかして、カランには二度と会わせないほうが、いいと……?

ジェシンは、眠り続けるユニの顔を見下ろし、しばらく沈黙を続けた。

「兄…?」
「―――ユンシク…ユニは、俺が守る……ユニが回復したら、韓国を出る。ユニが嫌だと言っても、一緒に連れて行く……」
「兄(ヒョン)…」
「誰がなんと言おうと、ユニを連れて行く―――」



無言のまま涙を流す、ユンシクの横顔に向かって言った。
「―――俺はこれからソウルに戻る…ダウンに車を返さないと…」
ジェシンはダウンの名を口にすると、彼女の笑顔を思い浮かべ、苦々しい表情で目を瞑った。

もしかしてユニの傷を少しでも癒すことができるのは、ジェシンだけなのかもしれない。
それが一番正しいことなのか、ユンシクでは判断ができなかった。
ジェシンの顔に固い決意が表れているのを見て、ユンシクな複雑な面持ちで口を閉ざした。

「そんな顔をするな、ユンシク……お前の言いたいことは、よくわかる……親父に許しをもらってくる。お前たちの父親を、兄貴が死なせてしまったという理由なら、なおさらだ……もう、ユニの泣き顔を見たくない」

ジェシンはユンシクを引き寄せ、両腕で抱擁しながら言い聞かせるように言った。
そしてユニを振り返り、また戻ってくるからと言って病室を出て行った。



※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

にほんブログ村

お気に入りの二次小説は!?



→ MEMO & 次回ご案内はこちら ←

こんにちは。バブルぅです。
お越しくださり感謝申し上げます。
そしてたくさんの拍手と素敵なメッセージをくださる皆様、いつも本当にありがとうございます。

物語(物語って…)は、どーんと重たい空気を漂わせていますが…

…都合よく(?)国外に追い出しちゃ、帰国した際には恋人が行方不明…
前にも使いました(;^_^A

しかし、愛し合う二人が兄と妹だったなんて…
新しい別の妄想(コロユニ)も、また複雑な兄妹…

はぁ~、ゲスト様…私を見捨てないでくださいーーー(´;ω;`)

さて。
今回のカテゴリ「歪み」は最終話でございます。
次回からのカテゴリでは、ようやくソンジュンが上海から帰国します。

次回カテゴリ【24.二人の母】は冒頭から、ソンジュンの生い立ちをだらだらと(だらだらかいっ!?)綴りましたので

、番外編(前・後編)を3/12、13日の連日にて記事を公開させていただきます。
明日はコロユニワールド【セカンド】
3/10:episode13、3/11:episode14は、いづれも22:59~

調子にのって毎日あっちこっちやってますけど、根が飽き性なのでご容赦を…
カラユニ版、コロユニ版、それぞれの入口が分けられないかしら、と模索していますがそこまで手が回っていません

^_^;
果てには、話が合体する!?
後から読み直すと恥ずかしいのを通り越して、あれ?どうなってるの?って意味不明なシーンが盛りだくさん♪

……。

拍手をくださるゲスト様の温かなお心遣いに感謝しますm(_ _)m

ところで、いよいよ明日、明後日と、ユチョンのファンミーティングなんですね。
すっごく行きたかったです(ToT)やっぱり彼の歌声が聞きたいです。

…きっと、また機会がありますよね!?

ねっ?

ここ数日のバブルぅの鼻歌は「チャジャッタ、ネッ、サラ~ン♪」です(*^-^*)
もし、行かれるゲスト様がいらっしゃるのでしたら、どんな様子だったか、こっそりお知らせくださいね♪

では、また…
バブルぅ
関連記事

成均館スキャンダル ソンギュンガンスキャンダル ユチョン 二次小説 성균관스캔들 ユアイン ソンジュンギ

0 Comments

Leave a comment