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06 2018

歪み7

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


ジェシンが、ミリの後に続いて中に入ると、ユンシクが寝ている部屋に通された。
起き上がろうとするユンシクに、寝てろと告げ、床にあぐらをかいて座った。
「兄(ヒョン)……」
ジェシンを呼んだきり、言葉を詰まらせるユンシクは、それ以上言葉を続けるのが辛そうだった。
「大丈夫か?」
ジェシンの問いかけに、感情を抑えきれなくなったユンシクの目から、涙があふれ出す。
「話したくなけりゃ、言わなくていい……くそっ、あいつ、凍え死ぬつもりか!?ったく」
ジェシンは、心にもない悪態をついた。
そこへ、ミリがコーヒーを運んできた。
「おばさん…?何があったか知らないが、些細な喧嘩なら、すぐに帰ってくるだろうが、深刻な内容なら…この寒さだ。すぐに見つけないと―――」
ミリの目に動揺が浮かび上がり、開きかけた口からは声を出せず、結局は口を閉ざしてしまった。
ユンシクはゆっくりと体を起こし、ジェシンに向き合って口を開いた。
「ゴホっ……母さん…兄(ヒョン)に、話してもいいでしょ?ユニが飛び出した理由……兄は誰にも話さないから―――」
ジェシンの顔が訝しげに歪んだ。
ユンシクに促がされて、ミリは諦めたように弱々しく頷いた。

「僕らとカラン兄は……兄弟なんだ」
「なんだって!?」
ジェシンの顔に動揺が浮かぶ。彼のどういうことだと訊ねるような表情に、ユンシクは涙ながらに起こった出来事を話して聞かせた。
「―――それで、ユニが部屋の外で、僕と母さんの話しているのを聞いて……止められなかった…いつもだ。肝心な時に、無能な自分が情けなくて…」
ユンシクがやりきれないというように頭を掻きむしり、ミリは両手で顔を覆って泣き出した。

薬が効いてきたのか、呼吸が落ち着いてきたユンシクは、母に向かって言った。
「母さん、ごめん…ユニから母さんに心配かけたくないからって、話してなかったけど、カラン兄とユニは、去年の春ごろから交際してるんだ…その前からお互い恋に落ちて、今は深く愛し合ってる……」
ミリは、顔に驚愕の色を浮かべると、彼女はいたたまれず部屋を出て行った。

ユンシクは、ユニが靴も履かずに飛び出した後、母が駅や駅前の商店街を探して回ったが、見つけられなかったことや、警察にも協力をしてもらっているとジェシンに語った。
家を飛び出した時のユニの心境を思いやり、彼女を襲った痛ましい事実にジェシンは目を閉じる。
そしてソンジュンの顔が浮かぶと、がっくりとうなだれて手で額を支えた。

―――なんてこった……





ジェシンが立ち上がって、ユンシクに言った。
「ユニを探しに行く……おばさんは、商店街の方を探したって言ったな?」
「僕も一緒に…」
「お前は、おばさんと一緒にこの家で待て…母親があんなんじゃ気の毒だ…お前が支えてやらないと……」
ジェシンはユンシクの肩を強く掴んで頷き、部屋を出て行った。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


明け方になって、ミリのスマホに警察から電話が入り、ユニが発見されて病院に搬送されたという。
低体温症で身体は衰弱しているものの、命に別状はないと聞くと、安堵からかミリは腰が抜けたようにその場にへたり込んだ。
スマホを耳にあてながら、何度も何度も頭を下げる母の様子に、ユンシクの目から再び涙が溢れ出す。
すぐにジェシンに電話をかけて、ユニが見つかったことを知らせると、安心した声で直接病院に行くと言って切った。

ジェシンが病院に駆け付けたときには、ユンシクとミリはすでに病院に到着していた。
待合スペースに、ユンシクの姿を見つけたジェシンが駆けつけ、ユンシクに尋ねた。
「ユニは?」
「いろんな検査があるからって、まだ会えてないんだ……母さんが先生の説明を聞いてる」
「で、意識は?」
「衰弱してるらしくて……でも、怪我もないし、すぐに回復するだろうって」
「そうか……」
先の電話で命に別状はないと聞いていたが、姿を見るまでは信用できない。
ジェシンは、固く閉じられた診察室の扉を苦々しく見つめた。



※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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