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03 2018

歪み6

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


ヨンハとの電話を切ったジェシンは、心配そうな表情を浮かべるダウンを振り返って言った。
「ダウニー、すまない…急用で、すぐに行かなきゃならない―――」
「どこに、行くの?」
「悪い……」 
ダウンの問いには答えず、車を降りようとするジェシンの背後から声をかけた。
「待って?誤解しないで…ユニちゃんを探すんでしょ?私が運転するから、乗って?どこに行けばいいの?ソウル駅?ユニちゃんのマンション?」
「ダウン―――」
今から実家に戻ってバイクを出すより、車で探したほうが間違いなく早い。
「―――助かる……」
ジェシンは、すまなそうな表情でつぶやいた。

家を飛び出したのなら、行く宛てはソウルしかないはずだった。
ソウル駅の改札で、ユニが乗ったかもしれない最終列車の降客を見送ると、ジェシンはがっくりと肩を落とした。

「くそっ!!」
ジェシンは襲いかかる不安と、ヨンハからの連絡がないことに苛立ちを覚え、コンクリートの壁に拳を打ち込んだ。

―――ユニ…いったい、どこにいる!?

駅の構内を出たジェシンは、ダウンの乗った車の運転席の窓をたたいた。
ドアを開けて降りようとしたダウンを、降りなくていいというようにドアを押える。
「…見つからないの?」
ダウンの問いに、ジェシンは小さく頷いた。
「……待たせて悪かったな…あとは大丈夫だから、もう遅いからお前は帰れ…」
「私は、平気よ。一緒にユニちゃんを探すわ…早く乗って?」
「いいから、お前は―――」
ジェシンがダウンに帰れ、と言いかけてスマホが鳴った。
電話の相手がヨンハだとわかると、ダウンを見ながら画面をタップした。

「ヨリムか?」
 『ああ…見つかったか?』
「まだ見つからない…で、お前の方は?」
 『ソウル駅も、ユニが乗った駅の防犯カメラにも、ユニらしい姿は見つからなかったそうだ…』
「電車に乗ってないなら、まだ実家の方にいるんだろう…今からむこうに行ってくる」
 『そうか…こっちは今、夕方の4時過ぎだ…明日の一番早い便でも、仁川には翌日の早朝にしか着かない。それまでに絶対にあいつを見つけてくれ…』
「ああ…わかった―――」

ジェシンが、ヨンハとの電話を切るとすぐにユンシクに連絡して、ユニはソウルには戻っていない、すぐにそっちに向かうと言って切った。
ジェシンが振り返ると、いつの間にかダウンが後ろに立っていた。
「聞いてたのか?なら話が早い……もうここからは…」
ダウンはジェシンの言葉を遮って言った。
「どうやって、そんな遠いところまで行くの?こんな遅くに…オートバイで行くなんて言わないで、せめてこの車を使って?お願いよ……あなたの邪魔になるから、私はここでユニちゃんの無事を祈ってるわ、ねっ?」
「ダウン…」
ダウンは、優しいほほえみを浮かべて、車のキーをジェシンの手のひらに握らせると、ジェシンに引き止められる前に、くるりと踵を返しタクシー乗り場に向かって走り去った。
ジェシンはダウンの後ろ姿を見送りながら、手に持った車のキーに視線を落とす。彼女の手の温もりだけ残っているような気がした。




たしかに、今は車の方が間違いなく役に立つ。
ダウンの乗ったタクシーを見送ったあと、彼女が置いていった車に乗り込んだ。


 気を付けてね。


しばらくすると、ジェシンのスマホに、ダウンからのメッセージが表示された。

―――すまない…


.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


その日未明、ジェシンはミリの家の前で車を停めると、ユンシクに着いたことを電話で知らせた。
ややあって、玄関の扉が開きミリが顔を出した。
「こんばんは、おばさん…ユニは、まだ?」
ミリは暗い顔で首を横に振る。
ジェシンは静かに溜息を吐いた。
「ジェシンさん、ごめんなさい…とにかく中に入って―――」



※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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