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Funny stories

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22 2018

歪み3

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


夕飯をすませても、ユニからの連絡はなかった。
後片付けは私がやると言う母に、ありがとうと言葉をかけ、ユンシクは幼い頃のアルバムを探すために、祖父の書斎へ向かった。

母の言う通り、書斎の棚の一番上にそれはあった。
2冊のアルバムをつかんで出そうとしたとき、横にあったレトロな文箱をひっかけた。

 ガツッ、ガシャン―――

二度、鈍い音を響かせて床に落ちると、写真や手紙などが小さな書斎の床いっぱいに散乱した。
文箱は書斎の机の角に当って蝶番を壊し、中に入っていたものが飛び出したのだった。

―――しまった…

ユンシクは苦々しく舌打ちして、散乱しているものに手を伸ばした。
一枚の写真を手に取ると、そこには見覚えのない2、3歳位の男の子が写っていた。
何通かの手紙は、封筒の宛名が母になっている。
何気なく辺りを見渡して拾い集めていると、雑誌の切り抜きのようなものを見て眉を寄せた。
その切り抜きは、この前まで自分たちを振り回していた【未来の政界を担うホープ!!イ・ソンジュン氏の完璧な私生活】と題したソンジュンの熱愛を扱ったスクープだ。
一緒に写っている熱愛の相手は、政府高官の令嬢となっているが実はユニだ。
顔がぼかしてあるのに、母は自分の娘だと気付いたのだろうか。
ユンシクは、傍に落ちていたもう一枚の記事を手に取った。
それにはインタビューを受ける、ソンジュンの姿が写っていた。

―――違う、ユニじゃない…カラン兄(ヒョン)!?


ユンシクは嫌な胸騒ぎを覚え、男の子の写った写真を裏返すと、母の字で【ソンジュン・2歳】と書いてあった。
もう一枚の写真を手に取ると、小さな赤ん坊を抱いた若い頃の母と、隣には、母よりも少し年上だと思われる婦人がにこやかな笑みを浮かべている。
裏には同じように母の字で【息子ソンジュン(5か月)カク・セリョンさんと】と書いてあった。

―――息子…ソンジュン!?


カク・セリョンは総理婦人だ。直接会ったことはなかったが、テレビや新聞記事で顔は知っていた。
写真の女性は随分若いが、ソンジュンの母に間違いない。




「いったい、これは…?」
ユンシクは、わけがわからないといった表情をしていたが、はっと思い当たったような顔で、もう一度写真を見つめた。

ソンジュンと初めて出会った入学式。
彼の顔を見て、どこか懐かしさを覚えたのは、ユニやヨンハからソンジュンのことを聞いていたからだと思った。
そうじゃなかった。目元や口元に、どこか母の面影を捉えたからだ。

震える手で母に宛てた封筒の裏を返すと、差出人は全てセリョンの名が書かれてある。ユンシクは恐る恐る、中の手紙を取り出して広げた。
『親愛なるイ・ミリ様』と、綴られた手紙を読み進めるうちに、ユンシクの顔に苦悩が色濃く浮かび上がり、みるみる顔面を蒼白にした。
2歳の誕生日を迎えたソンジュンの様子や、あなたにも子供が授かったと聞き、大変喜んいると言った内容に加え、ソンジュンの弟か妹が産まれたなら、いつでも、ソンジュンに会いに来て欲しい、などと書かれてあった。

―――どういうこと?カラン兄は、母さんの何!?


奥の書斎から聞こえた大きな物音に、母ミリが何事かとやってきた。
「ユンシク?大きな音が聞こえたけど、何か―――」

ミリの目に、床に転がった文箱と、手紙を持つ手を小さく震わせながら、茫然と佇むユンシクの姿が飛び込んだ。
慌ててユンシクの傍に寄り、床に散乱したものを拾い集めながら言った。
「ごめんなさい……ちゃんと奥にしまってなかったみたいね……」
「……」
無言のままのユンシクを、横目で見ながら、ソンジュンのインタビューや、熱愛報道の記事の切り抜きを手にして、ぎこちなく微笑んだ。
「……みっともないでしょ?…年甲斐もなく、若い子に夢中だなんて……」
「……母さん?母さんが何を隠しているのか…僕に話して?……カラン兄、いいや、イ・ソンジュンさんは、母さんの……何?」
ユンシクの悲しく冷たい声に、ミリは身体から力が抜け、床にへたり込んだ。
セリョンからの手紙や、ソンジュンの幼い頃の写真が、もう隠し通せないことを物語っていた。


※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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