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27 2018

ソンジュンの恋人3

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。


新しい年が明けて、ユニは、ク・グループの貿易会社のアシスタントを務めるという、お馴染みのアルバイトに行き始めた。
もうすぐ、旧暦の正月(ソルラル)だ。冬期休暇の間はできるだけ稼ぎたいというユニの希望と、旧正月の連休前に世界中から訪れる得意先も増え、週末もなかなか会えずにいた。
もう、10日近く会っていない。

「明日、何時に終わる?」
 『明日は4時前には会社を出れると思うの……もしかして会える?』

ソンジュンは、自室の窓からユニの住むマンションの方角を見ながら、彼女に電話をしていた。
会える?という最後の一言に、ソンジュンは思わずにやけてしまう。

「明日、出版社に原稿を出しに行こうと思って。きみの会社の近くだし―――」
原稿料がもらえるから一緒に食事をしようと、ユニを誘った。
 『本当?嬉しい!』

ソンジュンは、タウン誌のコラム欄に連載を持っていた。
以前、知り合いの編集者から、穴埋めを頼まれて以来、なかなかの評判だからと、年4回ほどの発行だが、そのコラム欄を担当することになった。

「会社の外で待っているから、何が食べたいか考えておいて?」
 『わかったわ―――』
ユニの可愛い声がソンジュンの耳をくすぐる。すぐにでも彼女の傍に行きたいところだが、敵わないのでついつい会話を続けてしまう。
気が付けば日をまたいでいた。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


翌日、1月にしては風も穏やかで、暖かい日だった。
ソンジュンはユニが働いている会社の前て、歩道脇の街路樹が植えられた花壇に腰を下ろし、彼女が出てくるのを待っていた。
しばらくして、会社の玄関ホールにユニを見つけて立ち上がる。ユニの横に若い男が寄り添っているのを見て、ソンジュンは笑顔を強張らせた。
ガラス越しに、長身の男がユニの手を握ったまま、嬉しそうに会話をしているのが見える。
さらに、男の手がユニの顔に触れた途端、ソンジュンは体の奥から湧き上がる怒りで、ぎゅっと拳を握りしめた。

―――誰なんだ!?


やがて自動ドアが開いて、ふたりが一緒に出てくると、やっとソンジュンに気が付いたユニは、手を挙げてにっこりと微笑んだ。
男の方もソンジュンに気づき、ユニに何か尋ねると、もう一度ソンジュンを見て笑顔を振りまいた。
柔らかそうなファーを揺らしたアラスカンコートの下で、深く開いたVネックから胸元を見せている。
長い脚に細身のパンツを穿きこなす、中性的な顔立ちのイケメンだ。
ソンジュンは男の視線に違和感を覚えながらも、無理やり口元に笑みを作って返した。

都会の風景と街路樹を背に、すらりとした長身によく似合う、上品なロングコートをまとったソンジュンの姿に、ユニはうっとりとした表情を浮かべた。
待たせたかしら、と聞くユニに、彼は無言で首を横に振った。

「行こう―――」

ソンジュンは、不機嫌な声色でそう言うと、ユニの手首をつかんでさっさと歩き出した。
ただならぬソンジュンの態度に、声を掛けることもできない。ユニは手を引っ張られたまま、ソンジュンについて行った。

強く握る手から、ソンジュンの怒りがひしひしと伝わる。
普段怒らないから、余計に怖い。ユニは身に覚えがないので戸惑うばかりだった。

「あの…どこへ?」
「……」
ソンジュンは、ユニをどこへ連れて行こうとしているのか、自身でもわからなかった。
とにかく人気のない、二人だけになれそうな場所を探す。

ユニは、昨夜電話を切ってから、彼の怒らせるようなことをしていないか、必死で頭の中を回転させた。
きっとソンジュンが何か誤解して、勝手に腹を立てているに違いないと、今度はユニがイライラと怒りを覚えた。
掴まれた手を振りほどき、立ち止まる。ソンジュンはユニに背を向けたまま尋ねた。
「誰だ……」
「え…?」

ソンジュンがユニを振り返り、彼女の目を見たとたん、怒りがどこかへ吹っ飛び、ユニの前で思わず跪きそうになる。
ユニの黒い瞳に溢れんばかりの涙を溜めていた。
ソンジュンは、ユニの視線から逃げるように横を向いて言った。
「…えっと、だから……さっきの人」
「さっき?」
「会社の前で一緒にいた……」
ユニは、一瞬考えてから答えた。
「彼は、今いる部署の先輩…パクさんていうの。パスケースを届けてくれたの……慌てて出てきたから、うっかり机の上に忘れちゃって―――」
早くあなたに会いたくて、と言い足す。
もしかして、とんでもない勘違いをしているのでは、と困惑した表情を浮かべたソンジュンだが、まだ腑に落ちない様子で尋ねた。
「きみの手を、握ってたように見えた…」
「あれは、ブレスレットが可愛いから見せてって」
ユニが袖を捲って見せる。初めて出会ったときに、ソンジュンが拾ったブレスレットだ。

―――可愛い!?男だろう?

ますます疑わしい。ソンジュンは眉間にしわを寄せて聞いた。
「……きみの頬を撫でてた」
「それは…」
「それは?」
間髪入れずにソンジュンはユニに詰め寄る。
「頬にトナーがついてたのを、彼が拭ってくれたの。コピー機のトナーを替えたときに、ついたのを気付かなくて…」
「ついてるって口で言えばいいじゃないか?わざわざきみに触れなくても」
「それは…そうだけど」

―――怒った理由は、そういうことね…

「ヨリム先輩が、きみにはガード役をつけるからって」
「ガード…役?」
「きみには、目付け役が必要だから…職場で他の男が、近づかないようにするからって…」
子供のように、拗ねた表情を浮かべるソンジュンを見て、ユニは呆れたという表情でくすっと笑う。
「そういう意味では、パクさんに守られてる気がするわ……」
「どういう意味だ!?手を握って、顔に触れて、絶対にあの男はきみに気がある!!」
悪びれた様子のないユニに、ソンジュンの鼻息はますます荒くなる。




「全て、誤解よ!彼は私に興味なんかないもの!!」
ユニは、ありえないとばかりに言い放った。
「そんなのわからないじゃないか!?」
ソンジュンの怒りは治まらない。
ユニは、言いたくなさそうな表情を見せたが、小さな声でつぶやいた。
「だから…私だけじゃなくて、彼は女性に興味がないの……」

貿易部のパクは、自身がトランスジェンダーで、男性にしか恋愛感情を持たない主義であることを、隠すこともなく公にしている。
だからといって、関係のないソンジュンに、彼がそうだと打ち明けるのをためらったが、ソンジュンに理解してもらわないと誤解が解けない。
パクが、ユニのブレスレットを可愛いというのも、頬に手を添えたのも、当人たちは女子同士のなれ合いのつもりだった。

「ごめん…知らなかったとはいえ、勝手に誤解して……彼に嫉妬したんだ。きみが他の男に取られるんじゃないかと、いつも不安でたまらない。きみのことになると、途端に感情をコントロールできなくなる…こんなに心が狭い男だなんて、気づかなかった」

ユニだって、パクのソンジュンを見る目つきに嫉妬していた。
たとえ同性じゃなくてもいい気はしない。

ユニは、ソンジュンの冷たい頬に手を添えながら、小さな声で囁いた。
「どうしてそんな風に思うの?私はあなた以外、何も見えてない…それが怖くてたまらないのに…」
ユニのささやきに、思わず抱きしめたくなるのを抑え、頬に添えられた彼女の手のひらに、唇を寄せることで我慢した。
「本当にごめん……痛かっただろう?」
薄っすらと赤い痕が残るユニの手首に触れながら謝ると、彼女は首を横に振って微笑んだ。


※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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こんにちは。バブルぅです。
お越しくださり、心より感謝申し上げます。
温かいメッセージやたくさんの拍手をくださるゲスト様、いつも本当にありがとうございます。

昨日…1月26日は、ブログ開設からちょうど一年でした!!
ゲスト様から、お教えいただき…お恥ずかしい…(;^_^A
ぶるぶる震えて、じっと動かず、口だけは絶え間なく動かし。
そんな中、ほっこりと温かな気分にさせていただきました。
ファーストアニバーサリーのサービスなんて、持ち合わせもなく。
ただ、ひたすらに感謝申し上げるだけで…
本当にありがとうございます。

久々に一話目を読み直してみたら…なんと!!
大学1年生の設定にしていたユニが、2年生になってました(;^_^A

……どうでもいいことです―――

さて、お話はというと、過去のエピソードを引っ張り出してきて、ダラダラとワンパターン化させております…
それでも、カラユニのラブモードに癒されます、とあたたか~いお言葉を頂戴して、嬉しい限りです♪

昨夜、ようやくこのカテゴリをまとめることができました(*^-^*)
卑猥な画像加工ばかりやってるもんですから、ストーリーはのんびり気味で…
しかし、ユチョンの画像をいじくっていると、やっぱり恋しくなるんですね~彼が。

いいニュースは聞こえてきませんが、会いたいですね(*^-^*)

では…バブルぅ

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2 Comments

くりこ  

バブルぅさん、ご無沙汰しています!

いいですね~。
ソンジュンの嫉妬。
手首が赤くなるくらい、つかまれて!

大好きな歌に「抱きしめて君を壊したい」
という歌詞があります。
ソンジュンの中ではそんな気持ちなんですよね。
きっと。

2018/01/28 (Sun) 22:05 | EDIT | REPLY |   

aunt Bubble  

Re: くりこ様 最後の雨…ですよね?

こんにちは。くりこ姫。バブルぅです。

お越しくださり、ありがとうございます。

(*´艸`*)
「抱きしめて君を壊したい♪」
中西保志さんの最後の雨では?
せつない名曲ですよね~~~
もちろん、私のプレイリストにも入ってます♪

あ…違いますか?(;^_^A

ソンジュンのキザ~なセリフが続きますが、そこはソンジュン…お許しくださいね(;^_^A

では…バブルぅ

2018/01/28 (Sun) 23:59 | EDIT | REPLY |   

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