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Funny stories

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20 2017

利川の山荘7

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。



朝早くに起きたソンジュンはシャワーを浴びたあと、バスタブに湯をためて寝室に戻ってきた。

ベッドの上でぐっすりと眠るユニの横に寝転び、彼女の寝顔を愛おしそうにしばらくじっと眺める。
もしかしたら、ユニは自分の前からいなくなってしまうかもしれなかった。
だが、彼女は無防備な寝顔を見せて、間違いなく自分の目の前にいる。

ユニと一つになれた事実は、ソンジュンに自信をもたらした。

「ユニ……」

ソンジュンはユニの名を囁きながら、顔を近づけて軽く唇を重ねた。




ゆっくりと瞼を開けたユニの目の前に、優しい微笑みを浮かべるソンジュンがいた。
「おはよう…」
「ふふっ……早いのね」
「よく眠れた?」
ユニは恥じらいを浮かべながら頷いた。
「ここは、温泉が出るんだね…お湯に浸かって、体を温めたほうがいい…」
「……」
ソンジュンの視線と、身体に刻まれた昨夜の余韻に襲われ、昨日とは異なる自分に、口ではいえない恥ずかしさで全身が熱くなった。
くすくすとソンジュンの笑い声に、ユニはシーツをたくし上げて顔を隠した。

早く服を身に着けたい。リビングまでどうやって行こうかと考えていたら、全身をシーツでくるまれ、ふわりと体が浮いてソンジュンの胸に抱き上げられた。
そのままバスルームに連れていかれると、あっという間にシーツをはぎとられ、温かい湯が張られたバスタブの中に身体を沈められた。

昨夜の嵐がうそのように晴れ上がり、明るい陽射しが窓から差し込んで、ユニの裸体を露わに見せる。
ユニはあまりの恥ずかしさで、バスタブの中で身体を丸めた。
顔を上げてソンジュンを見上げると、彼はいたずらっぽい笑みを浮かべてユニの顔を覗き込んだ。
「露天風呂もあるんだ…景色を眺めながら、一緒に入る?」
ユニは驚いた表情を見せ、顔を真っ赤に染めると、口を尖らせて言った。
「あなたがそんなことを言うなんて、知らなかったわ……」
「僕も…女にも欲情がある、なんて、きみの口から聞けるとは思わなかった」
ユニは、湯に浸かったばかりなのに、すでにのぼせそうだった。
「あははっ、冗談だよ。ゆっくり浸かって?あったまるよ…」
「あの…着替えが…ないの…」
「うん。リビングから持ってくる」
ユニは、これ以上は赤くならないというほど、顔を真っ赤に染めて湯の中に潜り込んだ。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


ソンジュンが、リビングでユニの着衣を拾い集めていると「コンコン」と、何かをたたく音がした。

―――コンコン?

傍に人の気配を感じたソンジュンは、その場で凍り付いたように動きを止めた。
ゆっくり顔を上げると、柱にもたれて、にやにやと笑みを浮かべるヨンハの姿があった。

「わっ!」
ソンジュンは驚きのあまり、後ろ向きに転びそうになった。
「わ、じゃないだろう?…カラン……ずいぶんと色っぽいじゃないか?」
ヨンハの卑猥な視線の先には、手に持ったユニの下着があった。
ソンジュンは、慌てて後ろ手に隠しヨンハに尋ねた。
「……いつから?」
ヨンハはふっと笑って、首を横に振る。
「それも違う。おはようございます、だろ?」
「お、おはようございます……」
ソンジュンは、いたずらが見つかった子供のように小さくなっていた。
あのイ・ソンジュンか?と思うような姿が可笑しくてしょうがない。
「ユニは?」
「えっ!?、あの、バスルームです……昨夜、冷えましたから…」
「ははぁーん!」
満面の笑みでソンジュンの肩に手を回して、そっと耳打ちする。
「カラン?俺が、ちゃーんと教えた通りにできたのか?……なぁ?ものは相談だが、次は俺も…仲間に入れてくれ」
「!?」
ソンジュンはヨンハの言葉に顔を強張らせた。
この先輩は、どこまでが本気なのか掴みどころがない。
「冗談だよ…だけどお前さあ、俺のベッドでユニを抱くなんて…いい度胸してるね―――」
「ベッドではしてません……」
「じゃあ、どこでしたんだ?」

ソンジュンは、ヨンハに何を答えても墓穴を掘ることに気がついた。
それよりも、今回の立役者はヨンハだ。彼がいなければ自分はここにいない。
「ヨリム先輩、ありがとうございました。先輩は僕を救ってくれました」
ソンジュンは、急に真顔になって頭を下げた。
「やめろよ、気にするな。それよりも、ユニを早く出してやれ……一人じゃ腰が立たんだろ…」
「……」
ソンジュンは頭を下げたまま、しばらく上げることができなかった。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


ソンジュンに、ヨンハが来ていることを聞かされたユニは、慌ててバスタブを出て服を身に着けると、髪を乾かすのもそこそこにリビングに入ってきた。

「……おはよう、ヨリム兄(オッパ)」
気まずそうな表情で、ヨンハに挨拶をするユニに、彼は意地悪な笑みを浮かべて言った。
「ん?もう日が昇ってから、ずいぶん経つぞ…」
嫌味を言われたユニは、ソンジュンの顔をちらりと見て肩をすくめる。
ヨンハは、ユニの様子を横目で見ながら、自分の心が何かもどかしいのを感じていた。

「ユニ?お前を脅かすゴミを片付けてきた。だから―――」
ヨンハは真剣な表情で、もう心配いらないと、ユニとソンジュンの顔を交互に見ながら言った。
ユニの顔に不安の色が広がるのを見て、ソンジュンは彼女の手をぎゅっと握った。

「ゆっくり話して聞かせたいのだが、早くソウルに戻った方が良さそうだ。よりにもよって通行止めなんて…」
「先輩はどうやって?」
ソンジュンがヨンハに尋ねた。
「辛うじて、片側がやっと通れるんだ。昨日の雨で地盤が緩んでいるから、いつまた通行止めになるかわからないそうだ……荷物は…まとめてあるな?」
ええ、とユニが頷く。
「じゃあ、すぐにでも出よう…カラン?お前はユニと一緒に、乗ってきた車に乗るんだ…俺はトックと一緒に前を走るから、ついて来れるな?」
「はい。わかりました」
「じゃあ、行こう」
ヨンハが立ち上がると、ソンジュンとユニも続いて立ち上がった。

助手席に乗ったユニは、窓を開けて山荘を眺めた。
ソンジュンとヨンハが、外で何か話し込んでいる。
初めてヨンハに連れてこられた日は、一人きりの夜を不安で眠れなかった。
先が見えず、途方に暮れていたところにソンジュンが現れ、この山荘で彼と初めて結ばれた。
ユニにとって一生忘れることができない、思い出の場所に向かってつぶやいた。

「ありがとう…」

やがて運転席のドアが開いて、ソンジュンがシートに腰を下ろした。
「さぁ、ソウルに帰ろう―――」
忘れものはないか、と尋ねるソンジュンに、ユニはにっこりと笑みを浮かべて首を振った。

ソウルまでの帰り道、ソンジュンは、ユンシクが怪我をして病院に運ばれたいきさつを、ユニに話した。
はじめは驚いて激しく動揺を見せたが、前の日にヨンハとジェシンが、ユンシクを病院まで迎えに行き、現在はジェシンの実家で静養していると聞くと、ほっと安堵の表情を浮かべた。
ユンシクが一緒にいた女性が、チョン・ソヨンと名乗ったと聞き、ユニは、女性の正体は詳しくは知らないが、彼女がいなければ自分はここにいない、と目に涙を浮かべて語った。
ソンジュンは、片手でハンドルを握りながらユニの手に指を絡めて握ると、手の甲に唇を寄せて言った。
「知らなかった…ユンシクが元気になって落ち着いたら、一緒に会いに行こう」
「ええ…」
ユニはソンジュンの手を握ったまま、彼の腕に寄りかかった。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


やがてソウル市内に戻ると、前を走るヨンハの車は、観光名所やホテルが密集する鍾路区に差し掛かった。
そして、まだ新築らしき豪華なタワーマンションの地下駐車場へと入って行った。

車を降りた一行は、エレベーターでマンションの上層階へと向かう。




エレベーターホールから、シックな内装の内廊下を通り、一室の前でヨンハは足を止めた。

「ここだ…さあ、入れ」
デジタルキーにパスコードを入力すると、玄関扉を開けてふたりを中に誘った。

豪華で広いリビングは、モデルルームのように、モダンなインテリアがコーディネイトされて、すぐにでも生活できるように揃えられていた。

「ここは?」「凄い…」

目を丸くする二人をよそに、ヨンハはユニに向かって言った。
「お前が、これから住む部屋だ…」
「え!?」
「心配するな…居住名義はカランだから、自由に使えば良い」
「どういうこと?」
ユニが驚いて、ソンジュンを振り返ると、彼も知らないというように首を振った。
「事務所の寮として使えるように買った。いいだろ?カラン、ユニが住んでも…」
「買った!?…って…ヨリム兄、そんな簡単に」
「それは…いい案です」
ソンジュンが満足そうに笑みを浮かべる。
「そんな……こんな豪華な部屋には住めないわ…ヨリム兄から借りてるマンションからも、引っ越そうと思ってたところなの…」
「じゃあ、こうしよう…きみから家賃をもらう…どう?…ここなら僕の家も近いし、セキュリティも万全だから安心できるよ」
「でも…」
「ユニ…、ここは先日購入したばかりで、寮として使えば事務所の経費で落とせる。カランは実家があるからここには住まない。なら、住人がいないとまずいだろ?」
「まずいの?」

―――事務所の寮って…例の芸能事務所のことかしら?

「ああ、そういうもんだ……それに、嫌だと言っても、すでにお前の荷物は、ここに運んできた」
「え!?」
ユニは慌てて周りを見渡した。そういえば身に覚えのあるものが、部屋の隅に置いてある。
「なんだ?引っ越すためにトラックを2台も用意したのに、一台の半分も埋まらなかったぞ!」
「…だって」
「ごちゃごちゃ言うのは、後にしてくれ。とにかく、座れ―――」
「!?」

―――自分で振っておいて、勝手なんだから…

ユニは不満そうな顔で、ヨンハを睨んだ。



※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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→ MEMO & 次回番外編のご案内はこちら ←

こんにちは。バブルぅです。
お越しくださり、感謝申し上げます。
そして、温かいメッセージや拍手くださる皆様、いつも本当にありがとうございます。

やっと結ばれた二人の前に、やっぱりヨンハでしょ~~?
ヨンハのレクチャー無しに、ソンジュンが上手にリードできるはずがないと…(;^_^A

さて、シーンはソウルに戻りまして、ウギュの一件をダラダラと…
番外編のご案内です。
利川の山荘8 <ウギュの転落> ~番外編~と題して、明後日12/22(金)
利川の山荘9 カテゴリ最終話の本編は翌日12/23(土)
いずれも、18:59の更新を予定しております。

皆様のお越しをお待ち申し上げます。

バブルぅ

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3 Comments

aunt Bubble  

秘密の拍手コメントをくださいました******様

こんにちは。バブルぅです。
拍手と素敵なコメントをくださり、ありがとうございます♪

ヨンハの妨害行為は今に始まったことではありませんよ~~( ̄∇ ̄;)
二人の味方なんだか、厄介者なんだか…
今に、天罰がくだるでしょう (^-人-^)

では…バブルぅ

2017/12/21 (Thu) 23:16 | EDIT | REPLY |   

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2017/12/22 (Fri) 22:00 | EDIT | REPLY |   

aunt Bubble  

Re: 2017/12/22 (Fri) 22:00に秘密のコメントをくださいました m-------様


こんにちは、m-------様。バブルぅです(*^-^*)
すてきなコメントをありがとうございます。
おかげ様で、元気をたくさんいただけるので、感謝しております♪

そうそう、お約束…ヨンハです。
やすやすとユニに触れさせませんよ~~(;^_^A
意地悪なこの管理人は、ヨンハに翻弄されるソンジュンも、ドラマ中ののユチョンの表情もたまらなく好きなので…(´∀`*)ウフフ

…すみません。

では…明日は最終話でございます。
またのお越しをお待ち申し上げます。
バブルぅ

2017/12/23 (Sat) 00:14 | EDIT | REPLY |   

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