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Funny stories

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26 2017

さらわれたユニ7

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。



意識を失ったままのユニが、ヨンハの車に乗せられてソウルを出た同じ頃、国際フォーラムの初日を終えたソンジュンは、会場を出てホテルに向かうタクシーの中で、ポケットからスマホを取り出した。
いつもと変わらない画面の表示に、少しがっかりとした表情を浮かべた。

―――見てないのかな?

遅くなっても大丈夫、というユニからのLINEのメッセージに、会議の途中休憩で「ありがとう」とだけ、返事を送った。
返信を強請ったわけではないが、いつもは彼女から返信があるのに、今日に限ってないことに少し寂しさを感じた。
何でもないことだが、離れているから余計にそう感じるのだと、ソンジュンは思った。




「カラン君、ホテルにチェックインしたら、すぐに着替えてロビーに降りて来てくれ…ゆっくりしたいだろうが、討論が思った以上に長引いたから…」
チャン教授は腕時計に目をやりながら、ソンジュンに言った。
「わかりました。今回のフォーラムはとても素晴らしかったです。教授には感謝します」
ソンジュンは、にっこりと笑みを浮かべて頭を下げた。

ホテルに着いたふたりは、思った以上に他の宿泊客が多く、チェックインの手続きに時間がかかった。
部屋に入ってスーツケースもそのままに、大急ぎでイブニングに着替えて出て行かなければならない。
ソンジュンは、着替えながらスマホを片手に持ち、LINEを開いた。
ソンジュンがユニに送ったメッセージに、既読が表示されていないのを見て、妙な胸騒ぎを覚えたが、諦めてサイドテーブルにスマホを残し、急いで部屋を出た。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


夜遅く、済州のホテルに戻ったソンジュンは、参加したフォーラムや、夜会に出席していた海外の著名人と交わした、熱い討論の興奮を抑えきれず、ユニと感動を分かち合いたくてたまらなかった。
上着を脱いでデスクチェアーに投げ出し、ネクタイを緩めながらスマホを手に取ると、画面に着信があったことを示す通知に気が付いた。
電話の相手は、ユニではなくヨンハだった。
ヨンハからの着信は一時間ほど前で、間もなく日付が変わろうとしている。
ソンジュンは、少し迷ったがユニの電話番号を表示させ、通話ボタンを押した。
無音のあと、電源が入っていないとアナウンスが流れる。
ソンジュンは、ユニがうっかりと電源が切れたことに気付かず、寝てしまったのだろうかと思ったが、嫌な予感がしてLINEアプリをタップした。

―――おかしい…メッセージが読まれていない!彼女に何が!?

急に、ヨンハからの着信が気になった。

「こんな時間だけど…」
ひとりごとをつぶやいたソンジュンは、夜遅くに先輩に電話をするなんて、礼儀に反すると思いながらも、ヨンハの番号をタップしようとしたとき、ヨンハ本人からの着信音が鳴った。

 『もしもし?カランか?』
「先輩…今、電話しようと思ったところです」
 『ああ、そうか…今、部屋に一人か?』
「ええ、そうですが…どうかされました?」
 『ん?…うん、実はユニから連絡があって、スマホを紛失したから、カラン、お前に連絡ができないって、伝えてくれって頼まれた…』
「スマホを、失くしたんですか!?」
 『ああ、そうだ…だから、心配せずに気を付けてソウルに帰って来い、だって…』
「……そうですか」
今夜に限ってどうしてなんだと、ソンジュンはがっかりと肩を落とした。
沈んだ声で答えるソンジュンを、いつもなら冷やかすところだが、今日のヨンハは当然そんな気分にはなれなかった。
 『そういうことだ……疲れてるんだろう?ゆっくり休んで明日に備えた方がいい。チャン教授によろしく言っておいてくれ』
「はい…ありがとうございます」
 『…切るぞ。じゃあな』
「はい、おやすみなさい…」
そう言って、ソンジュンはヨンハとの通話を切った。

―――ソウルに戻れば、彼女に会えるんだ。明日一日くらいは…

電話を紛失したのなら、通じないのは当然のことだった。
ヨンハのおかげで、一晩中を悶々とユニの心配をしないですんだと思えばいい。
シャワーを浴びてベッドに横になっても、何度も寝返りを打ち、なかなか寝付けなかった。
ユニが恋しい。すぐに会える距離にいないから、余計に声が聞きたかった。

ようやくまどろみ始めた浅い眠りの中、ソンジュンは夢を見た。

  『ソンジュンさん―――』

ユニがソンジュンの名前を呼ぶ。どこか、悲しげな声だ。
不安に襲われたソンジュンが、彼女の姿をいくら探しても見つからない。
声のする方に手を伸ばそうとしても、力が入らなかった。

「……ユ…ニ、ヤ…」

ソンジュンは眠ったまま、寝言でユニの名を呼んだ。


※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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