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12 2017

母の計らい8<追い詰められたインス・後編> ~番外編~

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。



久々に経済界のパーティに顔を出したジョンムは、ヨンハの父であるク・グループのCEO、ク・ヨンイルの姿を探していた。
他の参加者と親しげに会話をするヨンイルの姿を捉えると、ジョンムは自ら彼に近づき声をかけた。

「やあ、久しぶりです、お元気ですかな?」
「これはこれは総理、どうもご無沙汰しております」
「貴公の名前は、毎日のように目にしていますが…はっはっは」
ジョンムの視線が、左右にゆっくりと動く。ヨンイルはすぐに、自分と二人だけで話したいことがあるのだと悟った。

「総理…あちらへ…」
ヨンイルが人懐っこい笑みを浮かべながら、ジョンムを会場の奥にある、個室に促した。
ジョンムは秘書のキム・サンチュンだけを付き添わせ、部屋に入った。

部屋のドアを閉め、ジョンムを振り返ったヨンイルが口を開いた。
「何か、私にお尋ねですか?」
「…さすがですな…いや、大したことではありませんが…成均館大学で、ご令息と親しくさせていただいていると聞きまして…」
「いやはや、お恥ずかしい…我が愚息が、総理のご令息に付きまとっているのではないかと……以前、私のパーティにいらっしゃった時に、少しばかりお話をさせていただきました。本当に、素晴らしい息子さんをお持ちでいらっしゃる…」
「滅相もない……いや、そうでしたか…最近の息子の様子を、他所から聞くことが増えました...父親失格です…」
「息子なんてそんなもんです…」

ジョンムは、穏やかな笑みを浮かべながら単刀直入に尋ねた。
「ところで、つかぬ事をお伺いしますが、ご令息のヨンハ氏は、以前ご婚約をなさってたとか?」
ヨンイルは真っ直ぐにジョンムを見ながら答えた。
「ユニ…キム・ユニ、あの娘のことですか?」
「いや、名前までは…」
「今は、総理のご令息に夢中だと、伺っておりますが…違いますか?」
ヨンイルが、悪戯っぽい笑みを浮かべてジョンムに尋ねると、彼はばつの悪そうな表情で答えた。
「ご存知でしたか……」
ヨンイルは穏やかな笑みを浮かべながら言った。
「……美しい娘でしょ?美人だというだけではありませんよ、あの娘は心まで綺麗です……誰にでも優しく、聡明で慈悲深い。あんな娘は韓国中を探しても、なかなか見つからないでしょうな…私の息子もいまだに追っかけていますが、あの娘の足もとにも及ばない...我が家の嫁にと何度も口説きましたが、相手にもされないので…」
「では、婚約なさっていたというのは?」
「はははっ、いや失礼…ユニは息子の幼なじみというだけで、恋人でも恋人だったこともありません。親戚からの縁談を断るために、恋人役や婚約者の真似事をあの子にさせてるんです。全く情けない話で…」
「そうでしたか……」

―――私は、なんとおろかで非情な真似をしたのだ…

ジョンムは、おろかな噂話に惑わされ、息子の人生だけではなく、罪のない少女の将来をも台無しにしたのではないかと恥じ入った。

「ところで。いささか失礼だとは存じますが、ご令息は、ハ長官のご令嬢とお付き合いされているとか?……ユニは早くに父を亡くしましたから、不憫で…なぜか実の娘のようで、息子よりも心配なんです……あの娘の悲しい顔だけは…見たくはありません」

ク・ヨンイル
ク・ヨンイル


―――父親…あの娘の父親…

ジョンムは、ヨンイルの口から父親という言葉を聞いて、つい先日に受けたユニの身辺に関しての報告書を思い出した。

黙り込むジョンムを見て、ヨンイルは眉を寄せて首を横に振りながら言った。
「……とんだ無礼を…口が過ぎました。さあ、皆さんがお待ちかねです…行きましょう……」
完全にヨンイルのペースに乗せられた対話だった。
彼は全てをお見通しだと言わんばかりに、一国の総理に対しても物怖じしない物言いだ。
涼しげな笑みを浮かべるヨンイルに、ジョンムは苦々しい笑みで返した。

個室を出ると、いつの間にかパーティの参列者が増え、会場内は混雑していた。
ふたりは連れ立って会場の中ほどに進むと、ひとりの紳士がヨンイルに近づき声をかけた。

「ク・ヨンイル氏、どうも、お久しぶりです…や、これはイ総理!初めてお目にかかります…」
「やあ社長!はっはっは、ちょうど良い…総理、こちら私の友人で、パン・フーズコーポレーションの、パン・チョルジュ氏です。何といっても、彼の経営手腕は素晴らしい……」
ヨンイルに紹介され、照れ臭そうに首を横に振るパン氏に、ジョンムは穏やかな笑みを浮かべて軽く頭を下げた。

―――パン・フーズ……どこかで

最近、ウギュに関する調査報告書の中で見た企業名だった。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


ダウンの父がCEOを務める、パン・フーズコーポレーション。
外食産業への冷凍食品の加工や卸業を営む大きな会社だった。
ダウンの祖父が小さな食品加工会社を創業し、急速に発展した韓国経済の影響で、外食産業の発展とともに需要が高まり、祖父の代で会社は成長を遂げると、大企業の仲間入りを果たした。
ダウンの父に代が代わっても、真面目で経営の手腕に優れ、会社は発展を続けていた。

特にスポーツ団体へのパイプが太くなると、国際大会に参加する各国の選手に提供される食品を、一手に請け負う会社に指名された。
栄養価やバランス、安全などの品質面に優れ、宗教上の配慮まで至るところにまで抜きんでて、評価が高かった。

ある年、ソウルでスポーツ競技の国際大会が目前と迫ったなか、政府が公認していた食品添加物に発がん性物質が含まれていると、大学で専門にしている教授から指摘があった。
パン・フーズ社の製品の中にも使用されている添加物であったため、検査機関からのデータが出るまでは納品を保留とし、疑いのある添加物を使用していない商品を代替品として、当時の担当部署に提示した。
しかし、コストがかかり単価も高いため、担当部署が難色を示し、他社への打診が行われた。

大きな取引をモノにしたいと望む別の食品会社が、当時、深いつながりのあったハ・ウギュに話を持ちかけた。
ウギュは関係省庁の次期長官という立場を利用して検査機関の担当者を買収し、含有量を改ざんするよう仕向け、スポーツ団体を統括する関係省庁に圧力をかけて、国際大会への食料品の提供をパン・フーズ社から、ウギュの息のかかった別の会社に指名が入れ替わってしまった。
その見返りとして、多額の賄賂がウギュの手に渡っていたことは確実だった。

この影響で、パン・フーズ社は大きく売上が後退し、会社は縮小の危機に直面すると、ダウンの父は、自分の会社の危機よりも、人々に提供される食品の安全面と、新たな納入会社のずさんな管理体制と、劣悪な品質などの悪評に心を痛めた。
そこで、大学の先輩だった、当時新しい党派の代表に就任したばかりのムン・グンス(ジェシンの父親)に相談を持ちかけた。
グンスはすぐに納品される予定の食品サンプルを取り寄せて、別の検査機関で調査させたところ、データの改ざんや偽造が発覚し、大きな社会問題までに発展した。

偽造していた会社の社長が逮捕され、ウギュの関与が疑われたが、買収されてデータの改ざんをした検査機関の担当者は、遺書も残さず自殺し、逮捕された食品会社の社長も、取り調べの中で一切ウギュの関与を供述しなかった。
根深いところで、裏工作が行われたのではないかと疑われたが、すでにウギュは企画財政部長官までに昇りつめ、捜査は食品会社と自殺した検査担当者との間で行われた贈収賄事件として打ち切られた。

グンスの働きかけもむなしく、パン・フーズ社が再び納品会社として指名されるには時間がかかり、国際大会へは欧米からの輸入品が代替品として納品されることになった。

パン・フーズ社は、ダウンの父の人柄と経営手腕を買われ、ク・グループからの資金提供をうけて会社の危機を回避することができた。
そして時を置かずに新たなレトルト商品を開発し、ヒット商品となると、パン・フーズ社はさらに発展を遂げた。



※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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こんにちは。バブルぅです。
お越しくださり、感謝申し上げます。
そして、たくさんの拍手とコメントやメッセージをくださる皆様、いつも本当にありがとうございます。

いつもお越し頂いている皆様が、同じように【成均館スキャンダル】への思い入れが強くていらっしゃるのには驚かされました。
そして、ソンジュン&ユニに飢えていらっしゃる(笑)ことも(*´艸`*)
たくさん励まされ、大変嬉しく思っております。

さて、管理人の妄想は、どこまで広がるのか…本人も計りかねます…ダウンのパパにまで…
ホンと、チェンさんは、香港人の設定ですが、わざわざ英語で会話をさせる必要がなかったことに気づきました(;^_^A
過去に経験した香港での商談では、英会話(もちろん私はしゃべれません)でしたので、適当に入れたのですが、よく考えれば、中国人同士でそれは必要ないなと…

…だから、なんやねん!?って…

【18.母の計らい~タルトンネ~】は今回で最終話となります。
息子インスの失脚に伴って、自らの未来も…こうなったら、ウギュの怒りはおさまりません。
次回は、明後日の11/14(火)【19.さらわれたユニ】と題した、新しい展開を予定しています。
たくさんの人物を登場させましたので、あちこちにお話しを飛ばしてしまいました。
番外編とせずに更新日を2日に一度でアップする予定ですが、途中で書き直しする場合がございますので、不定期とさせていただきます。

では、皆様のお越しをお待ち申し上げます。
バブルぅ
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