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24 2017

イ・ジョンムの選択6

【成均館儒生たちの日々】に登場するキャラクターを、勝手に現代に置き換えた二次創作です。
原作やドラマ版から引用した部分もありますこと、ご容赦ください。



外に出たソンジュンは、打ちひしがれ、弱々しく歩くユニを見つけて追いつくと、背後から抱きしめた。

「……すまない」

ソンジュンの声は悲しみ以上に、やり場のない怒りを含んでいた。

―――この人に、ご両親を恨ませてはいけない…

ユニは、涙があふれそうになるのを必死でこらえ、ソンジュンの腕の中から抜け出すと、彼を振り返った。
そして微笑みを浮かべてソンジュンを見上げた。
口を開こうとすれば、涙が溢れそうになり言葉が出ない。
「父は、きっと誤解しているんだ……僕が、必ず父を…」
「……お父様のおっしゃることは間違っていないわ……私が、現実を見ようとしないで…夢を見ていたの」
ユニは、ソンジュンの言葉をさえぎって言った。
ソンジュンは、ありえないと言うように、はっと息を吐きながら首を振る。
「後悔しているのか!?」
「どうして後悔なんかできるの?……後悔するとわかっているなら、始めたりしないもの……ただ…」
「ただ……?」
次にユニの口から出る言葉は容易に想像ができた。ソンジュンは彼女の言葉を論破するつもりで待った。

―――私は、あなたの傍にいちゃいけないの…

「よく考えて。あなたが守らなければいけないのは、私じゃない……私は、あなたに相応しくないの…身分とか家柄とかじゃなくて…」
「ユニ!きみが、自分自身を傷つけるような言葉は聞きたくない!何を考えているか知らないが、きみは僕を信じて、これからも僕の傍にいてくれ…」
涙をこらえきれなくなったユニは、ソンジュンから目を逸らしてうつむいた。
ユニの涙が地面を濡らす。
小刻みに震える肩を、手を伸ばして抱き寄せようとするソンジュンを、ユニは遮りながら言った。
「頭を…冷やしたいの……しばらく……時間が欲しい……」
ユニは、消え入るような声でソンジュンに伝えると、くるりと背を向けて道路脇に立ち、タクシーを停めて後部座席に乗り込み、運転手に行先を告げた。

ソンジュン


ひとり茫然と立ち尽くすソンジュンの頭上に、灰色の雲が広がり、冷たい秋の雨粒が、弱々しく落ちてきて彼を濡らした。

.。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。.


その日の夜、重苦しい雰囲気のまま、ソンジュンの母セリョンが寝室に入ると、ジョンムはすでにベッドに横になり瞼を閉じていた。
何年も夫の顔を見てきた妻は、ジョンムが目を閉じているだけで、眠っていないことに気が付いていた。
「ねぇ、あなた……起きていらっしゃるんでしょ?眠ったふりでもいいわ……」
しばらくジョンムの顔をじっと見ていたが、ピクリともさせなかった。
セリョンは微笑みを浮かべて言葉を続けた。
「今日、あの子が部屋に入ってきたときの顔をご覧になった?あの顔と言ったら……幸せに溢れていた。ユニさんと仰ったかしら?……私たちの息子を幸せにしてくれるような気がするの……あなたも当然お分かりになってるくせに……そうね…ヒョウンさんはとても可愛らしいし、従順な妻になってくれると思うけど、ソンジュンは幸せになれるかしら?……夫に愛されて妻は幸せになれるのよ……私は、今までも、これからもずっと幸せよ…あなたが愛してくださるから…」
穏やかに語る妻の声に、ジョンムはゆっくりと目を開けた。
しばらくじっと天井を見ていたジョンムは、身を起こして妻を振り返った。
「……あの子たちは結ばれない運命だ……キム・イヨン、イ・ミリ夫妻の娘だから」
「え?」
セリョンは、ユニの両親の名前を聞いて言葉を詰まらせた。
「でも……ちょっとお待ちになって?ユニさん、おいくつだったかしら?」
「1993年8月16日生まれの20歳だ」
「1993年…ソンジュンが1991年よね…」
セリョンは、指を折り、数えながらもう一度尋ねた。
「……本当に?私たちの知ってるご夫妻?……同性同名じゃないかしら?」
「戸籍を追ってまで、詳しく調べたわけではないが、おそらく……」
「本当に、ミリさんのお子さんですの?……」
セリョンはありえないと言いながら、夫に微笑みかけ首を横に振った。

妻は、もう一度お調べになってと、ジョンムに哀願した。


※挿入する画像は、管理人の悪趣味により編集・加工を施しており、あくまでもイメージです。否定や侮辱ではございませんこと、ご容赦ください。実在する人物・団体とは一切関係がございません。

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こんにちは。バブルぅです。
お越しくださり、心より感謝申し上げます。
また、拍手くださる皆様、いつも本当にありがとうございます。

ソンジュンの父ジョンムは、原作よりもドラマに近いイメージで描きました。
演じられた俳優さん、ナイスミドルで素敵です。
原作のジョンムも、ツンデレ系で…それはそれで。イイ(*´艸`*)

さて…
もやもやとした展開の【17.イ・ジョンムの選択】は今回で最終話となります。
ユニ、かわいそう…なんて、自分の妄想に感情移入してました(^-^;
ユニの両親と、イ家との関係も、もやもや……それは、後々のお話で…

次回、新しいカテゴリ【18.母の計らい ~タルトンネ~】と題して新しい展開を予定しています。
韓国のスラム街を舞台(?)に母の粋な計らい…
後半の番外編では、香港や日本まで、お話を飛ばしてしまった、ヨンハvs.インス
オリジナルメンバーを加えて、ぐだぐたと長く、ストーリーを無駄に長引かせてしまいました(;^_^A
スルーしていただいて、構いません…

しかし、まだまだ、お付き合いください♪

では…10/27(金)18:59に、皆さまのお越しをお待ち申し上げます。

バブルぅ
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3 Comments

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2017/10/25 (Wed) 00:50 | EDIT | REPLY |   

aunt Bubble  

Re: 2017/10/25 (Wed) 0:50に秘密のコメントをくださいました***様

2017/10/25 (Wed) 0:50に秘密のコメントをくださいました***様

こんにちは。?(*´?`*)?様。バブルぅです♪
すてきなコメントをありがとうございます。

いただいたコメントから一部を引用させていただきますこと、お許しくださいm(_ _)m

>ユニはソンジュンは信じてる。でも世間を信じていない。
>たぶんジョンムもそうでしょう。だからユニに冷たい言葉を投げた。
>ユニとジョンムは分かり合えるのかもしれない(笑)
(*´艸`*)
ビンゴ~~~!!
ユニと、ジョンム…ソンジュンと親子ですから、お互いに惹かれないわけがない。
今は冷酷そうに映っても、ウギュのような悪党ではありません…
先祖代々、両班の血を受け継ぐイ家の御曹司。(…あれ?そんな紹介してましたっけ?)
与党第一党の党首でもあり、古い考え方の持ち主であるのですが、妻のセリョン(勝手に命名していますけど…)と出会って、人を愛することも知っています。(まあ!上から目線!?)
散々葛藤した上で、この選択しかなかった…ということで~~~、次っ【18.母の計らい】行ってみよう!!

……すみません。

>呆然としたのは、ユニの態度に対してではなく、己の無力さに打ちのめされたから。
>頭を冷やす時間が必要なのはソンジュンの方かも。
(*´艸`*)
ダブルでビンゴ~~~!!
父からの中傷から守ることも、去って行くユニを引き留めることもできなかった。
無力で、何もできないお坊ちゃまなのですが、愛は人を強くしますから…(キャー)


>ジョンム達はユニママとの因縁があるのですね。
>いかにも韓国ドラマだわ~(*´艸`)
>断ちたい縁ほど、実は強く繋がっているものなんですよね~
(*´艸`*)
へへっ…
いかにも…が大好きな昭和生まれっ!


>ソンジュン、ファイティン!メソメソしていたら、ジェシンに怒られるよ~
(*´艸`*)
そうそう…ジェシンも複雑ながら、ソンジュンの強い味方になってましたよね…
そんなキャラで描いています♪

では…また、素敵なコメントをくださいますか?
バブルぅ

2017/10/25 (Wed) 22:26 | EDIT | REPLY |   

aunt Bubble  

秘密の拍手コメントをくださいました**ヨリムが…様

こんにちは。こちらこそ初めまして、バブルぅです。
素敵な応援メッセージをくださり、心から感謝申し上げます♪

「こんなにも長く愛されるソンス」…全く同感でございます。
>太陽の末裔を一気見…ここでのソン・ジュンギはヨリムとソンジュンを足して2で割ったような感じで…
よだれが出そうな、魅力的な男性像ではないですか!?
妹が「太陽・・・」を観たらしいのですが、面白くないと言いまして…
視聴リストに登録しました(笑)

ときめき☆成均館…のキャラで勝手に遊んでおりますが、これからも是非お楽しみいただけるよう願っております。

3日に1度の更新でございます。
またのお越しをお待ち申し上げます。
では…取り急ぎ御礼まで…
バブルぅ

2017/10/28 (Sat) 22:45 | EDIT | REPLY |   

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